寝るときに入れ歯は外した方がいいのか?

東京都武蔵野市吉祥寺 内山歯科医院

院長・医学博士 内山博人

 

皆さん、こんにちは

内山歯科医院の内山です。

 

今日は、「寝るときに入れ歯は外した方がいいのか?」

についてお話させていただきます

 

患者さんに「寝るときに入れ歯は外した方がいいのですか?」という質問をよく受けます。基本的には寝る時には入れ歯は外していただきます
入れ歯は歯に固定するための金具が装着されていますが、寝ている時に入れ歯を装着したままだと、万が一就寝中に外れた時に、口の中をこの金具で切ってしまって出血したりする原因になります。当院のかかりつけの患者さんで、就寝中に入れ歯が外れた際に、金具が舌に刺さってしまい、自分で取れなくなり、朝まで待って当院を受診された患者さんもいます。この場合は麻酔をして刺さった舌の粘膜部分から金具を引き抜く処置を行いました。

 

 また小型の入れ歯の場合は、外れた時に誤って飲み込んでしまうリスクもあります。もし飲み込んでしまったら、便と一緒に排出するまで待ちましょう、というわけにはいかなくなります。さきほど述べたように入れ歯には金具の突起がありますので、消化管を通過する際に、腸の壁などに引っかかってしまうことも考えられます。腸管が損傷すると、そこから食べ物などが腹腔内に漏れ出して、腹膜炎など生命にかかわる重大な合併症を引き起こすリスクもあります。できるだけ早急に胃カメラなどの内視鏡で取り出す処置が必要になります。

 

上記の理由から「入れ歯は基本的には就寝中は外していただくことが基本」となります。

 

ところが例外的に就寝時にも入れ歯を装着したままの方がいい患者さんも実際います。

これはどういったケースかというと、「多数の歯を失った患者さんで、入れ歯を外した状態で一箇所も上下の歯が咬み合わず、ぶつかる部分がない」というケースです。歯科の世界では「すれ違い咬合」と呼ばれる咬み合わせの状態の患者さんのことです。

 

わかりやすい例は下記写真のようなケースになります。残っている歯どうしが接触できずに咬み合わせがすれ違ってしまうケースを「すれ違い咬合」といいますが、このようにすれ違ってしまうと、上下の歯で咬んで接触しているくれ部分がないために歯のストッパーが喪失し、自分の歯で自分の歯茎を咬んで傷つけてしまうようになります。寝ている時は無意識位のうちに口をモゴモゴ動かしたり、咬んだりしますので就寝中に自分の歯でザクザク歯肉を傷つけてしまうことになりかねないわけです。

 

 

また下記写真のように上下どちらかの歯が一本もなく総入れ歯の状態の人も、残っている反対側の歯で、歯茎を傷つけてしまいます。

 

 

このようなケースにおいては就寝時も入れ歯を装着することにより、残った自分の歯による粘膜の損傷を防げるようになります。ただ、「すれ違い咬合だから」といって必ずしも就寝時に入れ歯を絶対に装着しなければならないというわけではありません。起床時に唾液に血が混ざったりしていなければ、無理に寝る時に装着する必要がないこともありますので、ご自身で判断がつかない場合は是非一度、かかりつけの歯科の先生に相談してみてください。

 

 

 

 

まとめ

「寝るときに入れ歯は外した方がいいのか?」

 

  • 基本的には就寝時には入れ歯は外していただきます。
  • 就寝中に入れ歯を装着したまま口腔内で外れた場合、入れ歯の金具で口の中の粘膜を切ってしまい出血したりする原因になります。小型の入れ歯の場合は誤飲するリスクもあり、消化管の途中で金具が引っかかり、腸壁に穴があいた場合などは、腹膜炎など命にかかわる重篤な合併症を引き起こす原因となります。
  • 例外的に就寝時に入れ歯を装着した方がいい患者さんもいます。入れ歯を外した状態で一箇所も上下の歯が咬み合わず、ぶつかる部分がない人」がそれに該当します。残った自分の歯で、歯のない部分の歯肉を咬んでしまい歯茎を傷つけてしまうからです。
  • ご自身で判断がつかない場合は、かかりつけの歯科医に相談してみてください。

 

 

今回は、「寝るときに入れ歯は外した方がいいのか?」

 

という内容でお話をさせていただきました。

 

内山歯科医院では、患者様に丁寧な説明と患者様の悩みやご要望を聞きながら、治療を進めている歯科医院です。

 

何か困ったことあれば、いつでもご相談ください。

 

東京都武蔵野市 内山歯科医院

院長・医学博士 内山博人

 

 

 

 

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