東京都武蔵野市吉祥寺 内山歯科医院
皆さん、こんにちは
内山歯科医院の内山です。
今日は、「歯磨きをいつするか、回数、タイミングなど」についてお話したいと思います。
当院では初めていらした患者さんに問診で
「いつ歯磨きをしてますか?」
とお伺いをするようにしております。
皆さん答えは結構まちまちですが、
「朝、夜の2回」
という答えが一番多いようです。
「お昼はやらないんですか?」
と聞くと
「仕事していると時間や場所がない」
という答えが多く、特に昨今のコロナ禍においては職場の共用の水道回りで、うがいなどをするのははばかられるようで、致し方ないかとおもわれます。
昼食後に歯磨きできるにこしたことはありませんが、できなかった前提で、私が推奨する歯磨きの回数とタイミングは、ズバリ
- 起床時
- 朝食後
- できれば昼食後
- 夕食後
- 就寝直前のマウスウォッシュ(リステリンなどの液体ハミガキによるブクブクうがい)
となります。
上記でポイントとなるのは、一番上と一番下の項目「起床時」と「就前のマウスウォッシュ」であります。
上の項目をみて「起床時」と「朝食後」朝2回も歯を磨くのですが?という疑問がわくかと思いますが、そこには具体的な理由があります。
口腔内細菌は寝ている間のお口の中で増殖します。
朝起きると口の中がネバネバしている感覚があるかと思いますが、あれがその細菌などの汚れの温床となっております。この口の中の汚れを取らないまま朝食をとると、そういった汚れをごはんと一緒に体に取り込むわけですね。
若い人達はそれほど問題になりませんが、飲み込む機能や食べ物をお口の中に取り込む機能(摂食嚥下機能)が低下したお年寄りの方々は、この時「誤嚥」といって食べ物が食道から胃へとつながる通路に流れてゆかず、喉のところに分岐がある気管支、肺への通路に食べ物が落ちてしまうことがあります。
よく聞く「誤嚥性肺炎」とはお口の中の細菌がこうして気管支、肺に取り込まれることで起こる肺炎で、特養老人施設などでは、それが原因でおなくなりになる人もいるくらいのリスクある疾患です。
食事や飲水時に「むせる」ことがあるかと思いますが、これは食道ではなく気管支に食べ物や水分が流れた時に起こる体の反射反応になります。
人間の体には肺に異物が入らないように反射的に「むせる」ことで強制的に気管支や肺に異物が入り込むことを防いでくれるわけです。
こうした本来取り込まなくていい口腔内細菌、とりわけ起床時は一番お口の中にいる細菌類をまず、朝食前に取り除くわけです。
朝起きたら皆さん習慣として顔を洗いますよね?できればその時に歯も一緒に磨いてほしいのです。もしその時間がどうしてもなければ、お水でブクブクうがいを何回かしていただくだけで全然違います。
その後は朝食後に普通に歯磨きをしてください。
「起床時に磨いたから朝をもうやらなくていいや」
とはなりません。ここはしっかりとお願いします。
ここでちょっと前に巷で流れた都市伝説のようなもので
「食後30分は歯磨きをしてはいけない」
といった話しをお聞きになった方がいるかもしれませんが、結論からしますとあれは「デマ」です。
あの話は「食後30分は唾液の機能で歯を再石灰化してくれるので、その時間帯に歯を磨くと歯が削れてしまう」というのが言い分のようですが、あくまでも実験など試験管の中などの特定条件の中の論理で、まったくの間違いとは言えませんが、実際のお口の中においては特別気にする必要はありません。
日本歯科医師会としてもそのような公式見解はありませんせんし、私自身も食後は割とすぐに歯を磨くほうですが、歯が削れて困るという症状は一切ございません。
次にポイントとなる「就寝前のマウスウォッシュ」ですが、これは前述の寝ている間の口腔内細菌の増殖をある程度抑えてくれる働きがあります。
市販されている液体歯磨きでブクブクうがいをしていただきます。
(リステリンやモンダミン、GUM等など。個人的にはリステリンがお勧めで、抗菌効果としては市販製品の中では最高ランクとなります)
実際に就寝前にこの液体ハミガキうがいを行って朝起きると、口の中のネバネバ感がほとんどなくなるのを実感できるかと思います。こうした状態で起床後さらに歯磨きをしていただくとよりお口の中の清潔と健康、さらには高齢者の方の誤嚥性肺炎の予防へもつながるわけです。
まとめ
推奨する歯磨きの回数とタイミングは
- 起床時
- 朝食後
- できれば昼食後
- 夕食後
- 就寝直前のマウスウォッシュ(リステリンなどの液体ハミガキによるブクブクうがい)
今回は、「歯磨きをいつするか、回数、タイミングなど」ついてお話をさせていただきました。
内山歯科医院では、患者様に丁寧な説明と患者様の悩みやご要望を聞きながら、治療を進めている歯科医院です。
何か困ったことあれば、いつでもご相談ください。
東京都武蔵野市 内山歯科医院
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