入れ歯の違い

東京都武蔵野市 内山歯科医院
歯科医師・院長 内山博人

歯を失う原因はその半分以上が歯周病によるものです。
以前の投稿でも書いてきましたが、歯周病とは歯を支えている土台そのものである歯槽骨が溶けて減少してしまい、歯がグラグラになりやがて抜けてしまう進行性の歯科疾患です。歯周病は虫歯と違い、歯一本一本局所的に発生することは少なく、お口の中全体、限局されたとしても歯3〜5本分程度の骨が減少してしまい、歯周病でこれらの歯を失うと、入れ歯に移行する確率がかなり高くなってしまいます。

今回はこの入れ歯の種類にまつわるお話をさせていただきます。

当院で取り扱う入れ歯は主に3種類ございます。
一般的な入れ歯は、いわゆる保険で取り扱う入れ歯で、これはレジンと呼ばれる素材(特殊硬化プラスチックと思っていただければ)と入れ歯を安定されせるため、残っている歯に金具を引っ掛ける装置を組み合わせたものです。

画像のようにピンク色をしたと特殊プラスチックの入れ歯本体に金具が埋め込まれており、これを歯に装着して使用します。
国民皆保険制度のもと日本全国どこの歯科医院へ行っても同じ基準、同じ材料でできているため調整や修理などが可能で手軽に作製できるという点で第一選択となりうる入れ歯です。欠点としては残っている歯に金具をかけるので笑ったり会話時に金具が見えてしまうこと、金具をかけた歯の寿命を縮めてしまうこと、プラスチック製のため強度に劣り破損しやすいこと、熱が伝わりずらい素材のため、食事の時の食べ物の食感が伝わりずらい等があげられます。
この金具が見えてしまうという欠点を気にされる患者さんは結構たくさんおりまして、そのような思いを持つ患者様の要望のお答えする形の入れ歯が、下記のスマイルデンチャーと呼ばれる金具のない入れ歯になります。
(健康保険の適応外となります)

これは写真をみておおわかりいただけますよう、柔らかい弾性のある特殊プラスチック素材を利用し、金具でなくこの弾性素材を歯に巻きつけ取り囲むようにして入れ歯を安定させるため、審美的にもぱっと見では話相手などに入れ歯を使用してることに気づかれないなどの大きな利点があります。
欠点としましては、保険の材料と違い特殊な素材のため修理が簡単にはいかないこと、例えば保険の入れ歯は使用している最中にどこか他の歯が抜歯になってしまった場合、その入れ歯に歯を継ぎ足したりして修理し、そのまま使える場合などがありますが、(部位によっては不可能ですが)スマイルデンチャーのケースではそのような対応はできません。しかしこれらの欠点を大きく上回る審美面での利点は大きなアドバンテージといえるでしょう。

最後のご紹介する上記の入れ歯は金属床義歯と呼ばれる、土台がプラスチックでなく薄い金属でできている入れ歯です。
金属製のため強度にも優れ破折のリスクは保険入れ歯と比べて格段に下がります。また金属は熱を伝えやすいため、食べ物の冷温感が口腔粘膜に直接伝わり食事の食感が保険義歯に比べ優れています。義歯の安定に金具は使いますが、この金具が土台となる金属と一体型で鋳造し作製するので、義歯全体のたわみや変形が少なく、金具をかけた歯が動かなくなるため、残った歯の寿命が伸びます。(保険の入れ歯は針金を曲げた金具素材をプラスチックの土台に後付で連結させるため、どうしても金具をかけた歯が微妙に動いてしまい、歯を揺する力が働き歯の寿命を縮めます)


上記3つの入れ歯のそれぞれの利点欠点をまとめたものが コチラ になります。
いつでもお気軽にご相談ください 。

東京都武蔵野市 内山歯科医院
歯科医師・院長 内山博人

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