持病をお持ちの方

心臓に疾患をお持ちの患者さん

心臓に疾患のある方が歯科治療の際に問題になるのが、血を止まりにくくするお薬をのまれているケースです。「抗凝固薬」とよばれるもので代表的なものでは「ワーファリン」、「パナルジン」、「バファリン」などがあります。「狭心症」や「心筋梗塞」といった血栓(血の塊)ができて血管が詰まりやすくなっている患者さんや、心臓内部にある「弁の閉鎖不全」(心臓には4つの弁がありそれにより4つの部屋に仕切られています)などで人工弁の置換術を行ったことのある患者さんや、その他「心房細動」などといった不整脈疾患の患者さんが、主にこれらのお薬を内服していることが多いです。

この血が止まりにくくなるお薬は、歯科治療の際、虫歯や歯石除去、歯型をとると入った一般的な処置にはなんら影響はありませんが、歯を抜いたり、膿がたまって歯肉を切るときなどに、血が止まりにくくなるため注意が必要です。昔はこの「抗凝固薬」を処置の数日前から中止して抜歯を行っていましたが、このお薬を中止することで全身的なリスクや合併症を起こす危険があることが最近色々な研究から明らかになり、今では「抗凝固薬」は継続して飲まれたまま歯科処置を行います。

また前述の人工弁の置換術を行っている患者さんは、「細菌性心内膜炎」といった心臓の内膜に細菌感染を起こすリスクがあるため、抜歯処置を行う場合は、処置の前日から抗生剤をあらかじめ内服してもらうことが必要です。ご自身の心臓の病名と飲んでいるお薬の種類を確認して、歯科を受診する際は必ずその内容を伝えてください。また血がどのくらい止まりにくいかを検査する「PT-INR」、「トロンボテスト」血液検体の凝固因子活性を総合的に測定する検査薬のひとつといった血液検査のデータをお持ちの患者さんは、最近の検査結果をご持参ください。

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