持病をお持ちの方

人工透析治療など腎臓疾患をお持ちの患者さん

人体に不要な老廃物が体内にたまると、糞便や汗、尿といった形で体外に排出されます。腎臓はこの老廃物を濾過する働きがありますが、腎不全などで腎機能が低下された患者さんはこの排泄機能の低下を補うため人工透析を行います。人工透析を行っている最中は、血液を固まりにくくする「ヘパリン」というお薬を体に循環させながら行っています。人工透析処置後もしばらくこの「ヘパリン」の薬物作用が体内に残るため、出血を伴う歯科治療を行う際は注意が必要になります。

一般的に透析は一日おきに週3回行うことが多いですが、虫歯などの通常の歯科治療は人工透析を行った日に処置しても差し支えはありません。しかし抜歯など出血を伴う処置の場合は、前述の「ヘパリン」の薬物作用が体内から抜けた非透析日に行う必要があります(人工透析を月、水、金に行っている患者さんの場合は火、木、土に抜歯を行う)。

その他の注意事項としては、抜歯後に抗生剤や鎮痛剤を飲んでいただきますが、多くのお薬は内服すると腎臓で処理されるため(肝臓で処理されるお薬もあります)、人工透析を行っている患者さんの場合、通常のお薬の量を飲んでしまうと腎臓に大きな負担がかかり腎機能を悪化させてしまうケースがあります。一般的には抗生剤は通常の半量や1/3量に減量して飲んでいただき、腎臓に負担をかけないように配慮する必要があります。

当院では必要に応じて患者さんの内科主治医と相談の上、歯科処置に必要な薬の量を決めさせていただきます。また「BUN」、「Cr」、「24Ccr」といった血液検査や尿検査などの腎機能検査のデータを手元にお持ちの患者さんは当院受診の際はご持参ください。

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