特殊な歯科治療

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは睡眠中に10秒以上の呼吸が停止する無呼吸状態が5回以上繰り返される病気です。主に、いびきや昼間の眠気、熟睡感がない、起床時の頭痛などの症状があります。新幹線の運転士やトラック運転手による事故のなど、人命に直結する職業の中にもこの病気が隠れていることが新聞等で話題となったのは記憶に新しいところです。

SASは肥満や高血圧症、糖尿病などの生活習慣病と密接に関係しており放置すると生命の危険に及ぶこともあります。欧米人のSAS患者さんは肥満が関連していることが多いとされていますが、日本人の場合は顎が小さいため気道が塞がれやすく、やせているのにSASがある方も多くいます。原因は睡眠中の筋弛緩により舌根部や軟口蓋が下がり、気道を閉塞することにより起こる閉塞性睡眠時無呼吸症候群と、脳血管障害・重症心不全などによる呼吸中枢の障害で呼吸運動が消失する中枢性睡眠時無呼吸症候群にわけらます。

SASの診断や治療方針の決定は循環器内科や呼吸器内科で行いますが、このSASの治療法の中に我々歯科医が作製するスリープスプリント療法というものがあります。これは寝ている間、下顎を前方に引き出した状態で顎を固定するマウスピースを装着することで、気道を拡張させ空気の通り道を確保し無呼吸症状の改善を図る治療法です。

歯科独自でSASの診断はできせんが、前述のいびきや昼間の著しい眠気など思い当たる症状ある方は一度ご相談ください。当院の関連病院である東京女子医科大学病院循環器内科の睡眠時無呼吸症候群専門外来を紹介することも可能です。また循環器内科でスリープスプリント療法の適応と診断された場合、当院でマウスピースを作製することも可能です。

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