東京都武蔵野市吉祥寺 内山歯科医院
歯科衛生士 青山
みなさん、こんにちは
内山歯科医院 歯科衛生士の青山です
今回は、「子供の仕上げ歯磨きのポイント」といった内容でお話したいと思います。
自分が小さい頃に仕上げ磨きをしてもらった記憶がある人は、自分の子供にも仕上げ磨きをさせなきゃ!と考えたり、お母さんに磨かれると痛いから歯磨きは自分でやるようになったなぁ…など当時を思い出したり、色々なご記憶があることと思います。
1歳6ヶ月児健診や3歳児健診で歯磨きの話を聞いて、いざ自分が仕上げ磨きをする立場になると、どうやっていいかわからない、やり方が合っているかわからない、汚れが上手くとれない、やらせてくれない、自分で磨こうとしてくれない、など色々な困りごとが出てくると思います。
個人差がありますが、大体生後7ヶ月くらいすると前歯が生えてきます。母子手帳の項目でも、6〜7ヶ月の健康診査の欄に歯について異常がないかどうかの項目が出てきます。この頃から「歯磨き」をスタートさせると良いですし、歯の生えはじめの時期から唇を触ったり、口の中に指を入れて歯茎をそうっと触ったり、舌にちょっと触れたりして慣らしたりすると、新しい刺激にも慣れやすくなります。
口の中に入る離乳食がまだとろりと柔らかいのに、歯ブラシなどの硬いものを口の中に入れて磨いてしまうと拒否をされてしまいます。
この時期の「歯磨き」というのは歯についた食べカスなどを取り除いてあげるという作業です。
人差し指に薄く巻きつけたガーゼで拭う所から始めてみましょう。
反対の手で唇をそうっとどかし、表面と裏面の歯をサッサッとガーゼで拭き取ればOKです。
声掛けしながら短時間で楽しくやりながら、協力してもらえる人がいれば2対1で、いなければTV、動画、お歌、絵本の音読、おもちゃなどを活用していきましょう。まだこの時期は砂糖やジュースなどは取っていませんから、完璧にきれいに磨かないといけないということはありません。歯磨きは食後に行うものという習慣をお子さんも保護者の方も少しずつ作っていく時期になりますね。
8〜10ヶ月になると離乳食の形状も段々とはっきりするようになり、柔らかいものを咬みながら食べるようになってくると思います。そうなると、食べたものが以前よりも歯に残りやすくなりますので、ガーゼで拭うやり方から、だんだんと歯ブラシの形状をしたもので磨いていくようにします。
反対の手で唇をどかして磨き、歯を磨くだけでなく、歯肉なども観察してあげあるようにしましょう。歯が出てこようとしている場所の歯茎は、赤くなっていたり、少し盛り上がっていたりします。出てきたばかりの乳歯は歯の性質がまだ弱く虫歯になりやすい状態です。少しでも白い部分が歯肉から見え始めたら、歯茎をこすり過ぎない程度に優しく汚れを取ってあげるようにしましょう。指に装着して使うフィンガーブラシというものがあります、最初はこのような器具がから始めてみるのもいいかもしれません。
1歳に近づくと、慣れた子であれば歯ブラシでシャカシャカと仕上げ磨きが上手にでできるようになる時期です。興味があれば本人に歯ブラシを持たせてみたりしましょう。
1歳6ヶ月を過ぎてくると、上下2本ずつ前歯が生え揃い、奥歯や犬歯も生えてくる子もいます。奥歯があるので大人と同じ大きさのものでも柔らかければ食べられるような時期ですね。今まで歯磨きをさせてくれていたのにイヤイヤ期に入ってできなくなったりします。
歯科健診で問題がなければ、歯磨きはいつもの時間にできなくても、タイミングをずらして行ったり、朝起きてから行ったりしてみましょう。
歯ブラシは子供用の小さめの歯ブラシを使用しますが、この時大きいストロークで磨いてしまうと、細かい歯の溝まで磨けていません。歯ブラシは小刻みに、1本ずつ磨くようにして動かすようにしましょう。
最終的に2歳半〜3歳半くらいで奥歯も含めて合計20本の乳歯全てが生え揃います。この時期以降は、歯と歯の間が虫歯になる子が多くなるので、仕上げ磨きでフロス(糸ようじ)を使っていく必要がでてきます。毎日ではなくてもいいので、1週間のうち2回か3回くらいは、フロスを使う習慣が身につくといいですね。歯と歯の間に隙間がきちんとあり、磨きやすいお子様でもフロスは時々やってあげるといいと思います。その後永久歯がでてきた後もよい習慣として残ります。フロスのやり方について、ご自身の歯で試しながら、わからなければ一度歯科衛生士にフロスのやり方を習ってみましょう。ご自身の定期健診のついでに聞いてみるのもいいですし、お口のお手入れのコツを覚えてお子さんにも是非実践してみあげてくださいね。
仕上げ磨きをする際のお子様のポジションですが、立たせて・座らせて・寝かせて、どのようにやっていますでしょうか?仕上げ磨きは基本的には寝かせて磨くのが理想的です。立たせたり座った状態で磨かせた方が、唾液が溜まってもすぐにうがいがしやすいかもしれませんが、このポジションは奥歯が磨きづらいため、仕上げ磨きで汚れを取るには寝かせた方がやりやすいはずです。お口の中を覗き込んで見やすいですし、お顔が固定しやすいので頬を引っ張りやすくなります。歯ブラシを持った方とは反対の指で、口角(口唇の角の部分)より奥まで指を入れ、頬の内側のお肉を指の腹でどかしてあげるようにして引っ張ると奥まで見やすくなります。
また、痛くしないというところもポイントです。見やすくしようとして強く引っ張ったり、歯茎にある筋(スジ)に歯ブラシが当たると痛いので、寝かせて痛くさせないように確認しながら仕上げ磨きしていきましょう。(前歯の歯肉の上の方にある上唇小帯や奥歯の歯肉にも頬小帯といった筋(スジ)があります)
仕上げで磨いてあげてほしい場所は本人が磨きにくい場所なわけですが、この場所はご両親が磨く場合でも、やりにくい場所となります。下の奥歯の内側は舌が邪魔して磨きにくい場所ですし、意外な盲点として上の前歯の歯と歯の隙間は、子供が虫歯になりやすいポイントです。この両エリアは特に注意して仕上げ磨きをするようにしてあげてください。歯科医院では仕上げ磨きのコツやアドバイスもできますので、普段お子様の歯で磨きにくいと思っている所があれば、かかりつけの歯医者さんで是非相談してみて下さい。
最後に、「仕上げ磨きは何歳くらいまでやってあげたほうがいいか」についてお話します。皆さん小学校1年生くらいまでは結構やってあげる方が多いのですが、それ以降やめてしまうと、永久歯の生え変わりの時期がノーマークとなってしまいます。小学校3年生前後から乳歯が抜けて永久歯に置き換わる時期がくるのですが、この時期は永久歯を虫歯にさせないためにも重要な年齢です。低年齢の時と同じように、毎日仕上げ磨きができなくても、週に最低2回くらいは親の目でチェックしながら仕上げ磨きをしてあげてください。理想は4年生から5年生の前半くらいまでは親の介入が必要であると考えます。
まとめ
「仕上げ歯磨きのポイント」
- 歯の生えはじめ(生後6,7ヶ月くらい)から口の中に指を入れて歯茎をそうっと触ったり、舌にちょっと触れたりして慣らしたりすると、新しい刺激にも慣れやすくなります。
- 歯が生えてきたら歯磨きを始めましょう。歯ブラシではなく、指にガーゼを巻きつけて表面と裏面の歯を拭き取ります。
- 8〜10ヶ月くらいで歯ブラシの形状をしたもので磨いていきます(フィンガーブラシなど)だんだんと慣れたら子ども用歯ブラシで仕上げ磨きをしていきます。
- 合計20本乳歯が生えてきたら、歯と歯の間が虫歯になる子が多くなるので、仕上げ磨きではフロスを併用してゆきます。
- 仕上げ磨きは基本的には寝かせて磨き、痛くないように、口の中がよく見える状態で磨いていきましょう。
- 小学校2年生以降は永久歯の虫歯に注意しなければならない時期です、低学年で仕上げ磨きをやめてしまうのではなく、この時期以降も継続する必要があります。
- 理想は小学校5年生くらいまでは親の介入が必要であると思われます。
今回は、「仕上げ磨きのポイント」についてお話をさせていただきました。
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